AI
Claude Codeを本気で使い倒す — Hooks・MCP・Agent Teamsまで全部やる
Claude Codeの基本操作からHooks、MCP連携、Agent Teamsまで、実際に使って分かった設定と活用法をまとめました。
はじめに
2025年5月にリリースされたClaude Codeが、気づけばGitHub CopilotやCursorを抜いてAIコーディングツールのシェア1位になっていました。自分も半年以上使い続けていますが、正直なところ最初の1ヶ月は「ちょっと賢いターミナル」くらいの感覚でした。
転機になったのは、Hooks・MCP・CLAUDE.mdをちゃんと設定したタイミングです。そこからClaude Codeは「開発環境そのもの」に変わりました。
この記事では、自分が実際にやっている設定と活用法を、基本から応用まで全部書きます。「インストールしたけどいまいち使いこなせていない」という方の参考になれば嬉しいです。
※ 本記事は2026年3月時点の情報です。Claude Codeは頻繁にアップデートされるため、UIや機能が変わっている可能性があります。
Claude Codeとは
ターミナルで動くAIコーディングエージェントです。Anthropicが開発しています。
特徴を一言で言うと、コードベースを理解した上でファイル編集・コマンド実行・Git操作まで全部やってくれるツールです。「このバグ直して」と言えばコードを読んで修正し、テストを走らせ、コミットまでしてくれます。すごい時代ですね。
# インストール
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
# プロジェクトディレクトリで起動
cd your-project
claude
※ Claude Codeの利用にはAnthropicのAPIキーまたはMaxプランのサブスクリプションが必要です。2026年1月のTeamプラン値下げで、月額$20(年払い)から使えるようになりました。
まずやるべき:CLAUDE.mdの設置
Claude Codeを使い始めて最初にやるべきことは、プロジェクトルートに CLAUDE.md を置くことです。これはClaude Codeがセッション開始時に自動で読むファイルで、プロジェクトの文脈をAIに伝える役割を持ちます。
# CLAUDE.md
## プロジェクト概要
Astro + Cloudflare Workers で構成された個人サイト。
ブログ記事はCloudflare D1(SQLite)に格納。
## 技術スタック
- Astro v5(hybrid SSR)
- Tailwind CSS v4
- Cloudflare Workers + D1
- marked(Markdownレンダリング)
## コーディング規約
- TypeScript strict mode
- インデント: スペース2つ
- コミットメッセージは日本語OK
## よく使うコマンド
- npm run dev: 開発サーバー起動
- npm run deploy: ビルド&デプロイ
- npx wrangler d1 execute ...: D1操作
これを置くだけで、Claude Codeの回答精度が体感で3倍くらい変わります。「このプロジェクトはNext.jsですか?」みたいなとんちんかんな質問がなくなります。
ポイントは簡潔に書くことです。長すぎるとトークンを浪費しますし、Claude Codeは「必要なら自分でファイルを読みに行く」ので、CLAUDE.mdには概要と規約だけ書けば十分です。
Hooks:確定的な自動化の仕組み
Hooksは個人的にClaude Codeの最強機能だと思っています。「特定のタイミングでシェルコマンドを自動実行する」仕組みで、LLMの判断に依存しない確定的な動作を設定できます。
Hooksの3要素
- Event(いつ): PreToolUse, PostToolUse, Notification など
- Matcher(どのツールで): Write, Edit, Bash など
- Command(何をするか): 実行するシェルコマンド
実際に使っている設定例
.claude/settings.json に書きます。
{
"hooks": {
"PostToolUse": [
{
"matcher": "Write|Edit",
"command": "npx prettier --write \"$CLAUDE_FILE_PATH\" 2>/dev/null || true"
}
],
"PreToolUse": [
{
"matcher": "Bash",
"command": "echo \"Running: $CLAUDE_TOOL_INPUT\" >> /tmp/claude-audit.log"
}
]
}
}
上の例では:
- ファイル編集後に自動でPrettierをかける(PostToolUse + Write|Edit)
- Bash実行前にコマンドをログに記録する(PreToolUse + Bash)
特にPrettierの自動実行は便利です。Claude Codeが生成するコードのフォーマットが微妙にプロジェクトの規約と合わないことがあるんですが、Hooksで自動整形すれば一切気にしなくてよくなります。
※ Hooksはシェルコマンドなので、$CLAUDE_FILE_PATH のような環境変数を使ってClaude Codeのコンテキスト情報を受け取れます。詳細は公式ドキュメントを参照してください。
MCP:外部サービスとの接続
MCP(Model Context Protocol)は、Claude Codeに「プラグイン」を追加する仕組みです。GitHub、Slack、データベースなどの外部リソースにアクセスできるようになります。
設定方法
プロジェクトルートに .mcp.json を作成します。
{
"mcpServers": {
"github": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-github"],
"env": {
"GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKEN": "ghp_..."
}
},
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "/Users/macmini/projects"]
}
}
}
自分が接続しているもの
- GitHub: Issue・PRの参照と作成。「このIssueの内容を見て修正して」が自然言語で完結します
- ファイルシステム: 別プロジェクトのコードを参照したいとき用
- Slack: 開発チャンネルのログを読ませて文脈を共有
MCPのツールは mcp__<サーバー名>__<ツール名> の形式で呼び出されます。例えば mcp__github__search_repositories のような感じです。Claude Codeが自動で使い分けてくれるので、特に意識する必要はありません。
※ MCPサーバーはローカルで動くプロセスです。APIキー等の認証情報は .mcp.json に書くため、このファイルをGitにコミットしないよう注意してください。.gitignore に追加しておくのが安全です。
Agent Teams:チームで並列開発
2026年2月にOpus 4.6と一緒にリリースされた新機能です。複数のClaude Codeインスタンスが「チーム」として協調動作します。
従来のSubagentとの違い
| Subagent | Agent Teams | |
|---|---|---|
| 構造 | 親→子の一方向 | メンバー同士が直接通信 |
| コンテキスト | 親のコンテキスト内 | 各自独立 |
| 向いている作業 | 単純な並列タスク | 複雑な協調作業 |
| コスト | 低め | メンバー数に比例 |
使い方
特別な設定は不要です。プロンプトで「チームで作業して」と指示するだけです。
フロントエンドのUIリファクタリングとバックエンドのAPI最適化を
チームで並列に進めてください。API仕様書は docs/api.md にあります。
これでClaude Codeが自動的にTeam LeadとTeammatesに分かれて作業を始めます。
実際に使った感想
正直に言うと、個人開発では使いどころが限られます。理由は単純で、トークンコストがメンバー数に比例して増えるからです。フロントエンドとバックエンドの同時修正のような、明確に分離できるタスクには有効ですが、「とりあえずチームで」と使うとお財布が痛みます。
自分は主に以下のケースで使っています:
- 大規模リファクタリング: 型定義の変更とそれに伴う全ファイル修正
- テスト作成: プロダクションコードの修正とテストの追加を同時並行
- ドキュメント更新: コード変更とREADME・API仕様書の更新を並列実行
※ Agent Teamsは現在Research Preview(実験的機能)です。今後仕様が大きく変わる可能性があります。
日常的に使っているTips
スラッシュコマンド
よく使うものだけ紹介します。
| コマンド | 用途 |
|---|---|
/compact |
コンテキストを圧縮(長い会話で必須) |
/clear |
会話をリセット |
/cost |
現在のトークン使用量を確認 |
/review |
コード変更のレビューを依頼 |
特に /compact は重要です。長い会話を続けていると、コンテキストウィンドウが埋まって回答品質が落ちます。「なんか最近Claude Codeの回答がおかしいな」と思ったら、まず /compact を試してください。
パイプ入力
Unix哲学に従って、パイプでデータを渡せます。
# エラーログを渡して原因を調査
cat error.log | claude "このエラーの原因を調べて"
# テスト結果を渡して修正
npm test 2>&1 | claude "失敗しているテストを修正して"
# Git diffを渡してレビュー
git diff | claude "このコード変更をレビューして"
これが地味に便利です。CIのログをコピペするよりパイプで渡したほうが圧倒的に速いですし、Claude Codeが全文を正確に読んでくれます。
CI/CDへの組み込み
Claude Codeはヘッドレスモード(--print フラグ)で対話なしに実行できます。
# CIでコードレビュー
claude --print "src/ 配下の変更をレビューして、問題があれば報告して"
自分はGitHub Actionsに組み込んで、PR作成時に自動レビューをかけています。人間のレビュー前にAIが明らかなミスを拾ってくれるので、レビューの質が上がりました。
コスト管理
Claude Codeは使えば使うほどトークンを消費します。気をつけないと月末に請求書を見て青ざめることになります。経験者は語ります。
コストを抑えるコツ
- CLAUDE.mdを充実させる: AIが質問する回数が減る = トークン節約
/compactをこまめに使う: 不要なコンテキストを捨てる- Agent Teamsは必要なときだけ: 並列化のメリットがないなら使わない
/costで定期確認: 「今いくら使ったか」を把握しておく- API利用額の上限設定: Anthropicのダッシュボードで月額上限を設定
Teamプランなら月額$20で、かなり使えます。ただしAgent Teamsを多用すると一瞬で上限に達するので注意してください。
※ 2026年1月の値下げ前はTeamプランが月額$40でした。半額になったのは大きいです。
まとめ
Claude Codeは「AIにコードを書かせるツール」ではなく、「AIと一緒に開発するツール」です。CLAUDE.md・Hooks・MCPをちゃんと設定すると、本当にペアプログラミングをしている感覚になります。相方が24時間対応で、文句も言わず、コードベース全体を把握しているという、ちょっとずるいペアですが。
設定に少し手間はかかりますが、一度やってしまえば生産性の向上は明確です。特にHooksによるフォーマット自動化と、MCPによるGitHub連携は、やらない理由がありません。
まだ使ったことがない方は、まずCLAUDE.mdを置くところから始めてみてください。それだけで「あ、これ全然違うな」と感じるはずです。